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横浜市金沢区 京浜急行本線 京急富岡駅 とみおか駅前歯科 MI&インプラントセンター
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Q & A

虫歯予防・3DSについて

虫歯治療・MI(ミニマル・インターベンション)治療・Doc's Best Cement を使用した歯髄温存療法について

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Q1-1: 虫歯はどのように起こるのですか?
虫歯は、ミュータンス連鎖球菌(Mutans Streptococci:以下MS菌)が食物中の砂糖を原料にネバネバとした粘液(=非水溶性グルカン)を出しながら歯面上で増殖し「バイオフィルム」と言われるカタマリを作り、そのバイオフィルムの中で各種細菌(MS菌やLB菌)が酸を産生し、その酸が歯を溶かすことで発生します。
Nバイオフィルム(その1)590.jpg
そのようなわけでミュータンス連鎖球菌(Mutans Streptococci)が虫歯原因菌と言われています。この菌は生後1歳半~2歳半の間に母親から(共用スプーンなどを介して)感染することが近年の研究で明らかにされています。

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Q1-2: からだには虫歯に対する防御機能はありますか?
あります。唾液です。
唾液は洗浄液として機能するだけでなく細菌が発生した酸を中和する(=弱める)機能があります。また唾液に含まれるIgAという抗体がMS菌の歯面への付着を阻害します。
Nバイオフィルム(その2)590.jpg

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Q1-3: なぜ唾液という防御機能があるのに虫歯が出来てしまうのですか?
虫歯原因菌(MS菌)は増殖する際、同時に、砂糖を原料に「非水溶性グルカン」という粘着質の物質を合成していきます。そのためMS菌は歯の表面に大量に強固にベトベトにへばり付いてしまいます。
この状態を「バイオフィルム」といいますが、このバイオフィルムに対してはIgA抗体も唾液の中和作用ももはや「焼け石に水」状態となってしまうのです。
Nバイオフィルム590.jpg
   バクテリア[細菌]  非水溶性グルカン生成 酸産生
悪玉菌
ミュータンスレンサ球菌(MS菌)
++
乳酸桿菌(LB菌)
++
善玉菌 口腔常在菌

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Q1-4: 虫歯を予防することは現実的に可能ですか?
可能です。母親からの虫歯原因菌(MS菌)の感染を防げれば虫歯は予防できます(←母子間でスプーンの共用禁止などが必要)。しかし多くの人の場合、生後1歳半~2歳半の間に母親からMS菌の感染を既に受けてしまっていますので、それ以降の虫歯予防は、(1)歯を強化する、(2)砂糖を多くとらない、(3)唾液の緩衝作用を促進する、(4)原因菌を除去する、という方法を全て合わせて可能になります。
具体的には、(1)はフッ素の使用です。(2)は代用糖の利用です。(3)は食べ物が口腔内にない状態を長く持続することが重要なので間食を控えることです。(4)には国立感染症研究所が2000年に発表しその後確立された「3DS」が有効です。

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Q1-5: 「3DS」とは何ですか?
Dental Drug Delivery System の略称で、バイオフィルムを形成する虫歯原因菌(MS菌)の化学的除菌法です。
国立感染症研究所から2000年に発表された全く新しい医療技術です。
ドラッグ・リテーナーというマウスピース型の装置に消毒薬を入れて除菌します。
3DSは診察室でのプロフェッショナルケア(計2回)とご家庭でのホームケア(7~10日)を組み合わせて行われます。
3DSを行うにあたっては、(1)3DS術前唾液検査、(2)PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という物理的な除菌とポリッシング、(3)3DS術後唾液検査が必須となります。

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バイオフィルムは一度形成されると機械的に除去しない限り抑制は困難となるので、PMTCによりバイオフィルムを機械的に破壊します。

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PMTC後、残存した浮遊MS菌は再び歯面に付着しようとするので…

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3DS実施。
3DSによって歯面上のMS菌が除菌される。

3DS-4(番号つき).png
歯面以外の部位(口腔内の粘膜など)に存在している口腔常在菌(=黄色=善玉菌)と浮遊MS菌(=橙色=悪玉菌)が共に除菌済みの歯面に付着しようとしますが、唾液中の抗MS菌抗体(IgA抗体)の働きによりMS菌は歯面に付着できなくなります。

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砂糖の摂取などの食習慣が改善され3DSが奏功すると口腔常在菌(善玉菌)が歯面上にマイクロコロニーを形成します。このような状態になるとMS菌が二度と優勢となることはなく、バイオフィルムは形成されなくなります。

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一方、食習慣が改善されず3DSが奏功しない場合はMS菌が再びバイオフィルムを形成してしまいます。こうなると再び機械的に除去しない限り抑制は困難となります。(→この場合、再度3DSプログラムを実施することになります。)

Q1-6: 虫歯のなり易さは遺伝ですか?
虫歯は虫歯原因菌(MS菌)への感染がきっかけで起こる病気です。したがって感染症であり遺伝病ではありません。しかしながらMS菌の株や歯質の酸への感受性、及び食生活(砂糖の摂取量や間食傾向)などは家族(母親)と共通している場合もあり、「遺伝」と混同されがちです。

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Q1-7: 砂糖が虫歯の原因ですか?
重要な原因要素の一つです。
虫歯原因菌のMS菌は砂糖からのみ「非水溶性グルカン」という粘着質の物質を合成します。MS菌は自らの増殖とともに非水溶性グルカンを合成することで歯の表面に強固にベトベトにへばり付いてしまいます。この状態を「バイオフィルム」といいますが、このバイオフィルムの中で各種細菌(=MS菌やLB菌)が酸を産生し、その酸で歯が溶け、虫歯が作られていくのです。
一方、砂糖以外の糖(ブドウ糖、果糖など)からは非水溶性グルカンは合成されません。また、キシリトールなどの代用糖は非水溶性グルカンはもちろんのこと酸生成の原因にもなりません。
▼表【MS菌による各糖質の代謝】
   非水溶性グルカン生成  酸産生 虫歯の原因
砂糖
ブドウ糖 ×
果糖 ×
キシリトール × × ×
Nバイオフィルムのみ590.jpg

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Q1-8: 「3DS」は健康保険が適用されますか?
適用されません。
他の予防処置同様全額自費となります。
3DSとセットに行われる細菌検査とPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)も健康保険は適用されません。

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Q1-9: すでに治療された歯に3DSは有効ですか?
有効です。
但し、詰め物〔修復物〕や被せ物〔補綴物〕の下に虫歯が潜んでいないこと、また、修復物や補綴物の歯質との境界に物理的なギャップが存在せず適合が良好なことが前提となります。

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Q1-10: フッ素塗布は虫歯対策上有効な手段ですか?
歯質を強化し細菌が産生する酸への抵抗力をUPさせる点で大変有効です。

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Q1-11: フッ素塗布は大人にも有効ですか?
フッ素による歯質強化は、歯がはえてから3年間が最も効果があるのですが、成人においてもそれなりに有効とされています。

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 Q2-1: なぜ歯医者さんで治してもらった歯が再び虫歯になるのですか?同じ歯ばかりが繰り返し悪くなっている気がします…。
そもそも虫歯は、厳密には、治癒していないからです。
驚かれるかもしれませんが、「虫歯の治療」で歯医者は歯を厳密には”治す”ことはできないのです。
そのため一度「治した」歯が、その後も繰り返し悪くなるのです。
そのようなことは、例えば「皮膚」では起きません。
皮膚と歯の違いは自然治癒力の有無です。自然治癒力とは体の組織が自ら「治ろうとする力」です。自然治癒力は皮膚や骨をはじめ全身の組織に備わっていますが、例外的に歯には備わっていません。
皮膚と歯の「損傷の治癒過程」の違いを以下に示します。
▼皮膚の損傷とその治癒過程
損傷と治癒(皮膚)_r1_c1.gif自然治癒力のある皮膚は
損傷と治癒(皮膚)_r1_c3.gif仮に擦りむいても、洗浄して清潔にすれば
損傷と治癒(皮膚)_r1_c5.gif傷口にはカサブタが自然に出来
損傷と治癒(皮膚)_r1_c7.gifその後、皮膚組織は再生し
損傷と治癒(皮膚)_r1_c9.gifさらに新陳代謝によって周囲組織と同化していきます。
バイ菌感染の有無や損傷の程度によりお医者さんから抗菌剤の投与や縫合などの外科処置が施される場合もあるでしょうが、それら治療は皮膚組織が自ら治ろうとする力[=自然治癒力]を手助けしているに過ぎません。お医者さんが皮膚の損傷を治せるのは皮膚に自然治癒力があるからに他ならないのです。
一方、歯はどうでしょうか…
▼虫歯による歯の「損傷」とその治癒過程
損傷と治癒(歯)_r1_c2.gif歯は皮膚と違って自然治癒力が無いので
損傷と治癒(歯)_r1_c4.gif虫歯菌が感染し損傷した部分を洗浄・消毒しても自然に歯質が再生したりはしません。
損傷と治癒(歯)_r1_c6.gif虫歯は放置すればますます広がってしまうので、それを食い止めるには虫歯(=虫歯菌の感染した歯質)を削り取るしかありません。
損傷と治癒(歯)_r1_c8.gif虫歯を削り取った後の穴をそのままにすると「噛む」という重要な機能に支障が出ます。そのため穴は銀歯などの人工修復物で補なわれます。
損傷と治癒(歯)_r1_c10.gif「虫歯の治療」の結果生じた歯質と修復物との「つなぎ目」は皮膚のようには組織の新陳代謝も無ければ同化もありません。むしろそのつなぎ目には年月とともに「スキ間」が生じていくものです。清掃が行き届かない「スキ間」を虫歯菌は好みますから、結果、歯質と修復物とのつなぎ目から再び虫歯が生じてしまうのです。
厳密な意味で治癒していない上に、「治療」によって新たな”つなぎ目”という弱点が築かれる。それが「虫歯治療」の実態なのです。したがって過去に「虫歯治療」を受けた歯はそうでない歯に比べ「次の虫歯」に罹るリスクが格段に高いのです。

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Q2-2: なぜ虫歯が大きくなるとやがて「神経を抜く」治療(=抜髄)をしなくてはいけないのですか?
歯の中心部には歯髄腔という空間があり、そこには神経(歯髄)、微小血管、結合組織線維などの組織が含まれています。虫歯が大きくなり感染が歯髄腔にまで達すると歯髄は炎症を起こします。この炎症は、歯髄腔内部の組織を全て除去する以外に鎮める方法がありません。すなわち「神経を抜く」治療[=抜髄]をしなくてはならないのです。
抜髄後は歯髄腔を人工物で満たします。[=根管充填]
重度C→抜髄watermark.png

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Q2-3: 「神経を抜く」治療をおこなうと何か弊害はありますか?
大いにあります。
「神経を抜く」治療では歯の神経のみならず微小血管も除去することになるのですが、この微小血管は歯に栄養と潤いを補う「補給路」でもあったのです。これを失った歯は、その時点から日に日にもろくなっていくので、将来的な破折のリスクが高まります。
また、日本国内の「神経を抜く」治療は一般的に成功率が低く(→後述Q2-5参照)、将来的に再び「根の病気」〔根尖性歯根膜炎〕を引き起こす可能性が高いとされています。
「神経を抜く」治療と同様に「根の病気」を起こした歯に対しても”根管治療”という治療を施すことになるのですが、歯は構造上、そう何回も根管治療に耐えられません。
「神経を抜く」治療によって栄養・潤いの「補給路」が遮断され、さらに再度の根管治療によって構造上も弱くになり益々破折のリスクが高まっていきます。
歯は破折すると、原則、保存は不可能となり、抜歯しなければなりません。

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Q2-4: 「神経を抜いた」歯も虫歯とか再び悪くなることがあるのですか?
大いにあります。
「神経を抜いた」歯は痛みを感じる知覚を既に失っています。したがって虫歯になっても以前のような痛みを感じません。
虫歯が相当程度進み歯が割れたり、歯根と骨の間の組織に炎症が生じたりしない限りとそれを自覚できないので、当人が気が付いた時にはかなり状態が悪化しているケースが目立ちます。
「神経を抜いた」歯が再度虫歯になると、ばい菌は歯根内部の管を通じて根の尖端部の骨にまで侵入するケースもあります。程度によっては抜歯に至る場合もあります。

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Q2-5: なぜ日本国内の「根の治療」〔根管治療〕の治療成績は一般的に良くないのですか?
根管治療は歯の治療の中でも唯一明視野にない領域(=根管)を扱う治療です。(→針のような道具で根の内部を探るように治療をおこなう。)したがって、治療の際のエラー発生率が決して低くありません。また、根管形態は必ずしも典型的な単純形態でなく、「吻合」「分枝」「狭窄」「閉鎖」「湾曲」がかなりの確率で見られます。 これは歯髄腔内組織の取り残しなどのエラーに繋がります。
ただでさえ非常に困難な治療である上に、日本特有の事情として、健康保険診療の根管治療に対する治療費が著しく低く設定されていることがあります。そのため治療内容も「それなり」のものに収束せざるを得ない状況です
そのような訳で日本国内の根管治療の治療成績が一般的に良くないのです。
なお、根管治療の重要性を鑑み、国内でもアメリカの根管治療専門医に倣った治療システム(1歯の治療費:10万円以上)で本格的な根管治療をおこなう医院が近年出始めています。
根管治療002watermark.png
根管形態は必ずしも典型的な単純形態でなく、「吻合」「分枝」「狭窄」「閉鎖」「湾曲」がかなりの確率で見られる「根管治療」の治療費[=医院売上]の国際比較

根管形態には、吻合分枝狭窄閉鎖湾曲がかなりの確率で見られます

「根管治療」の治療費[=医院収入]の国際比較 ~日本のそれは著しく低い

Q2-6: MI(ミニマル・インターベンション)とは何ですか?
MIとは、国際歯科連盟(FDI)が提唱するMinimal Intervention(最小限の侵襲)の略称です。
なるべく体(歯)に侵襲を加えずに患部の治療を行うことをいいます。
いかなる丁寧な治療を施しても真の意味での「完治」がない歯科治療では、可能な限り歯質・神経(歯髄)を温存しておくことが将来的に歯を保つ上で大変有利な条件となります。
なおMIの概念に基づく治療は、一見すると”軽い”簡単な治療と思われがちですが実際は正反対です。患部の切削を受ける歯にとって侵襲が「軽い」分、その治療は大変技術を要し手間がかかります。また神経(歯髄)を温存するためにDoc's Best Cement使用歯髄温存療法などの治療法が用いられる場合がありますが、確実に成功させるためにはこれも大変デリケートで手間のかかる治療法です。

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Q2-7: Doc's Best Cement 使用歯髄温存療法とはなんですか?
虫歯が深く、全ての感染歯質を取り切ろうとすると歯髄(=歯の神経)にまで達してしまうような重度虫歯症例で、銅の殺菌力により罹患歯質の無菌化をはかり歯髄の温存を図ろうとする治療法です。
Doc's Best Cement 出現以前は、虫歯治療において感染歯質は完全除去することが鉄則であり、その結果切削が歯髄に達した場合は原則全ての歯髄を除去(=「神経を抜く」)しなければなりませんでした。
神経を抜いた歯(=無髄歯)は将来的に根尖性歯根膜炎発症のリスクが生じるだけでなく、力学的に脆弱化して破折のリスクが高まることがわかっています。
すなわち歯髄の除去(=「神経を抜く」)は、将来的にその歯が治療不能・保存不可能となり抜歯される可能性を格段に高めてしまうことを意味します。
当院はMIの観点からも安易な歯髄除去(=「神経を抜く」)は避け、症状が適応症ならばDoc's Best Cement使用の歯髄温存療法の選択をお奨めいたしております
なお、Doc's Best Cement使用の歯髄温存療法には健康保険は適用されません。全額自費診療となります。

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Q3-1: 審美修復とは?
歯には自然治癒力(組織再生力)がありません。したがって虫歯等に罹った組織は物理的に除去し同部を人工修復物で補わなければなりません。
その際、機能性(強度・耐久性・清掃性etc.)のみならず見た目にも配慮する治療が審美修復(審美修復治療)です。
ところで「審美歯科」と類似したものに「美容歯科」という語があります。
審美歯科の概念には機能性(強度・耐久性・清掃性etc.)への配慮があり、美容歯科にはそれがないという点で歯科業界的に両者は区別されています。
審美歯科が「継続性」、美容歯科が「一過性」と形容できるかも知れません。
当然、歯科的原則に基づくものは審美歯科ということになります。
”歯の見た目はきれいに整ったのに歯ぐきの腫れと出血が止まらない”
”見た目はきれいになったのに噛めない”
”見た目はきれいなのに清掃用具(歯ブラシ・歯間ブラシ・デンタルフロス)で清掃が出来ず口臭がひどい”
治療後のこうしたトラブルはいかにも美容歯科的ですが、近頃は”審美歯科”と称されて行われる治療後にも見られるようになっています。
審美修復治療の正しい知識・技術を持った歯医者での適切な審美修復治療をお勧めいたします。

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不適切な「審美歯科治療」例(1)(他院治療例)
鼓形空隙が接着性レジンセメント(=歯科用接着剤)で埋まってしまって清掃不能の状態になってしまっています。
鼓形空隙は「歯と歯と歯茎」で囲まれたスペースのことで、中高年以降は「三角形のスキ間」として認識される部分です。
接着性レジンセメントはセラミック修復などの審美修復治療には欠かせない歯科材料ですが、従来の「銀歯をつけるセメント」とは性質が全く異なり、完全硬化後は除去不能になります。
審美修復治療の正しい知識・技術を持たない歯医者による不適切な「審美歯科治療」の典型事例です。

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不適切な「審美歯科治療」例(2)(他院治療例)
こちらも鼓形空隙が接着性レジンセメントで埋まってしまっています。
この「審美歯科治療」を受けた直後から、継続して咬合痛(=噛んだときの痛み)と歯肉の腫れ・出血が引かないとのことで当院を受診されました。
保険の銀歯治療に比べ「高いけど良い治療」との「セールス・トーク」に乗せられてセラミック治療を受けた結果、得られたものが保険の銀歯治療以下のものになってしまったという例です。修復物は白くても、これでは何の意味もありません。
これも審美修復治療の正しい知識・技術を持たない歯医者による不適切な「審美歯科治療」の典型事例です。

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不適切な「審美歯科治療」例(3)(他院治療例)
数年前に他院で入れたメタルボンド冠の根元が「黒くなった」とのことで当院を受診されました。
現在、歯茎が大きく後退し、もともと歯茎に隠れていた「メタルボンド冠の付け根の金属部分」と「歯根歯質」が共に大きく露出しています。
装着された冠の「径」が、歯根の「径」よりも随分小さく、不適合な冠であることがわかります。手間のかかる歯茎への配慮を怠ったまま印象採得[=型とり]を急いだ結果、ただ「値段の高い白い歯が入っただけ」になってしまった、不適切な「審美歯科治療」の典型事例です。

Q3-2: セラミックを用いた治療の良さはとは?
セラミックを用いた治療には、クラウン〔冠〕、インレー〔詰め物〕、ラミネートベニア〔薄く歯の表面に貼り付ける修復物〕などのバリエーションがありますが、そのどれもが自然で極めて審美的な修復治療です。
ただそれは患者さんにも視覚的に容易に認識していただけることであり、敢えて挙げる必要もないことでしょう。むしろ処置の内容・術者(担当歯科医)の手技次第では他の材料を用いた修復処置にはない大変優れた効果が見込める利点を強調したいと思います。
それは”治療後の予防”という観点でです。
予防は「あらゆる治療に勝る」と言われますが、必ずしも「無傷の歯」だけに当てはまるものではありません。治療を施した歯にも当てはまります。ただ治療後の歯の予防は「無傷の歯」の予防とは比較にならない困難さが付きまといます。
その一つが歯と修復材料の物理的な段差です。歯と修復物と間には必ず段差が生じてしまいます。これは自浄性・清掃性を明らかに低下させ「次の虫歯」のリスク因子となります。
段差は健康保険の銀歯の場合、元々かなりのレベルで存在するのですが、銀歯と天然歯質との物性(弾性率・熱膨張率etc.)の根本的な違いから時間経過とともに「段差」から「隙間」へと変化し、そして2次的な虫歯に至ると考えられています。
セラミックを用いた治療では、その専門治療に精通した術者が治療の各ステップを着実に丁寧に施すことが前提となりますが、その段差を最小限に留めることが可能になります。またセラミックは物性(弾性率・熱膨張率etc.)が健康保険の銀歯とは比較にならないほど歯質に近く、歯質との接着操作を適切に行うことによりセラミックと歯の「一体化」をはかることが可能になります。そのことは健康保険の銀歯治療(「段差」→「隙間」→「2次虫歯」)とは別次元の治療と言えます。
もし虫歯治療が必要になった場合は、その場凌ぎの雑な治療でなく、可能な限りベストの処置(=予防的概念を織り交ぜたセラミックス治療)を施すことが、長い目で見て断然得と言えるでしょう。
歯科特有の問題として歯冠修復の完全な’治癒’はありえないのですが、だからといって60点の治療と90点の治療とでは大きな差が出てきます。
ただここで今一度注意したいのは、単に「セラミックを用いている」というだけでは「良い治療」ではないということです。「セラミック」「接着」といった専門領域に精通した術者が丁寧に処置を施した場合のみ本来の良質なセラミック治療と言えるのです。
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適切な治療

不適切な治療

セラミックと歯肉との適合性の差に注目。現在オモテから見える部分でだけでは差はわかりませんが年月とともにこの差が歯と歯肉の健康に大きな違いを生むことになります。

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Q3-3: セラミックは丈夫ですか?長持ちしますか?
一般に金属と陶器〔セラミック〕とどちらが丈夫で長持ちするかと問われたら、「金属」が答えになりませんか?
また、こんなことを試みてはいけませんが、豪華ホテルのロビーの大理石張りの床に向けて吹き抜けの上階から金属製の皿と陶器〔セラミック製〕の皿を落下させたとしましょう。どうなるでしょうか?
恐らく金属製の皿は多少変形するものの皿として使える状態をとどめるでしょう。一方、陶器〔セラミック製〕の皿はバラバラに粉砕され見る影も無くなってしまっているのではないでしょうか。
やはり金属の方が丈夫で陶器〔セラミック〕は弱いということになりそうです。
歯科で人工修復物として用いられる金属とセラミックも同じです。金属の方が丈夫で長持ちします。
しかし問題はそのような比較に意味があるのか?ということです。
歯科の人工修復物として用いられる場合、金属もセラミックも、それらそのものが「丈夫」であったり「長持ち」することには何も意味がありません。肝心なのはその処置を受けた歯の「丈夫さ」がどれだけ維持され「長持ち」するかなのです。
先ほどの例えで豪華ホテルの「大理石の床」はご自身の「歯〔=天然歯質〕」を喩えています。
金属の皿が衝突した部分は恐らく大理石は大きく破損していることでしょう。一方、陶器〔セラミック〕の皿が衝突した部分のその破損の程度は前者を大きく下回るでしょう。
物理学の法則を引き合いに出すまでも無く、金属は「強過ぎる」し「丈夫過ぎる」のです。
歯科の人工修復において、銀歯修復の場合、銀歯部分が受けたストレスの大部分は装着された天然歯質が吸収せざるを得なくなります。それは銀歯という金属が「強過ぎる」し「丈夫過ぎる」からです。一方、セラミックは金属と比較し天然の歯質に圧倒的に近い性質を有します。セラミック修復の場合、セラミック部分が受けたストレスはセラミック自身が吸収する傾向があります。すなわち、強過ぎず、丈夫過ぎないのです。このことは天然歯質の保全にとって絶妙に有利な条件となるのです。

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Q3-4: グラスファイバーコアとは?
根管治療後の歯冠修復の際に、歯根部分とクラウン〔冠〕部分を”つなぐパーツ”を作る必要があります。そのパーツをコア〔土台〕といいます。
コア〔土台〕は金属で作られることが通例でしたが、近年、グラスファイバー線維と樹脂で作製する医療技術が開発されました。それをグラスファイバーコアといいます。
コア〔土台〕はもともと硬い金属で作られてきました。
しかし金属は歯質の物性と比較してなにぶんにも「強過ぎ」るので、金属コアは歯根破折を起こしやすいという大きな欠点を抱えていました。
グラスファイバーコアは歯質に近い物性を示し、”強過ぎず弱過ぎず”の強度を有しています。
また接着技術の併用により歯質と一体化を図ることが可能になります。
そのため、より残存歯質にやさしい治療が実現出来ます。
メタル ファイバー 比較.png

歯根破折を起こしやすい「メタルコア」

残存歯質にやさしい「グラスファイバーコア」

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Q3-5: 保証はありますか?
健康保険診療に比して、セラミックなどを用いた保険外診療の治療費は高額になる傾向があります。したがって近年、「セラミック保障○○年」とか「インプラント保障○○年」といったことを謳う歯科医院が増加傾向にあります。しかしあえて当院はそのようなスタンスは取っておりません。
「セラミック」や「金」、「インプラント」という「モノ」の保全だけを考えるならば、それらを患者さんの口腔内に装着せずに箱に入れてお渡しした方が確実でしょう。
それが駄目というなら、口腔内に装着しても機能しない(=力がかからない)ようにすれば保全は容易です。
保険外の歯科治療では高級歯科材料(セラミックとか金とか白金etc.)が用いられる傾向がありますが、決してそれらは「アクセサリー」ではありません。口腔内で機能して初めて意味があるのです。
保険外診療の治療費は、飽くまでも治療行為全般に対する「料金」であって、それらのモノ〔=人工修復物〕の「価格」ではありません。したがって近年の、あたかも電気製品のように「セラミック保障○○年」とか「インプラント保障○○年」と謳う風潮に当院は賛同しかねます。
なお、当院では必要に応じ随時適切なアフターケアを施しております。

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Q4-1: 貴院の診療科目は何ですか?
「歯科(一般)」と「歯科口腔外科」です。
小児歯科・矯正歯科は標榜しておりません。

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Q4-2: 健康保険診療はおこなっていますか?
おこなっております。ご来院の際は健康保険証をご持参ください。

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Q4-3: 貴院では誰が治療を行うのですか?治療内容ごとのそれぞれの役割について教えてください。
まず以下に法律上の職務範囲(歯科医師・歯科衛生士・歯科助手)を示します。
法律上は以下のようになっておりますが、当院においては高いクオリティを維持するため「全治療・全処置」を院長(歯科医師)自身がおこないます。

資格と職務の関係.png

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Q4-4: なぜ完全予約制診療なのですか?
当院では、患者さんの診療は他の患者さんの診療と同時並行には行いません。
また患者さんの全ての診療は個別に時間を確保して全て院長(歯科医師)自身が行います。
そのため診療は事前電話予約による完全予約制とさせていただいております。

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Q4-5: なぜ他の患者さんと同時進行の診療をしないのですか?
歯科治療には「100点」というものはありえません。しかし、いかに「100点」に近づけるかという努力が無ければ「合格点」にも及ばないでしょう。一人の患者さんを別の患者さんたちと同時進行に診療するようではその段階で「不合格」が目に見えているようなものです。自分が患者の立場であるならば歯医者はそのような治療を誰も望みません。
「日本の常識、世界の非常識」などというコトバがかつて流行しましたが、日本の歯科診療所の診療風景ほどこのコトバが当てはまるものはないでしょう。
複数の患者さんが同時に並んで診療台〔診療用チェア〕に就き、歯医者やスタッフが流れ作業的に分業をこなしていく。そんな診察風景は日本特有のもので諸外国(先進国&新興国)ではありえません。そもそもそれは歯科の本質(←衛生面、プライバシー、クオリティetc.)から著しく逸脱する行為でもあります。
当院の診療スタイルは、特有の進化を遂げてきたこの国の一般的な診療スタイルとは一線を画すものであります。しかし世界的標準から見れば何も珍しいものではありません。本来歯科とはこういうものなのです。
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「日本式」集団部屋診療室

世界標準型 個室診療室

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Q4-6: 急患は随時受付けてもらえますか?
申し訳ありません、当院は直接のご来院にての受付は原則いたしておりません。
必ず事前にお電話にて予約してください。
なお、当日~前日のご連絡の場合、ご希望の日時に副えない場合が多分に予想されますがご了承ください。

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Q5-1: 麻酔の注射が怖くてイヤです。麻酔しないで歯科治療してもらうことは可能なのですか?
当院の歯科治療は無痛治療を原則としています。
そのため痛みを感じるような処置に際しては局所麻酔をさせていただきます。
局所麻酔は注射で行いますが、当院は痛みを感じにくい最極細の注射針を使用しています。
さらに、あらかじめ針の刺入部位に「表面(粘膜)麻酔」を施し、注射の針が刺さる瞬間の痛みも感じられないよう配慮しております。

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Q5-2: すぐに麻酔を使いたがる歯医者さんは良くない歯医者さんだって祖母が言っています。本当ですか?
昔そのように言われていた時代があるようですね。私も子供の頃に聞いた事があります。しかしながら、歯医者の立場になってみると何故そのようなことが昔言われていたのか皆目見当もつきません。
虫歯の治療などは確かに麻酔なしでも出来るものがあるでしょう。しかしある程度以上の虫歯の治療では麻酔なしでは患者さんに相当の我慢をしていただければならなくなります。それは歯医者にとっても患者さんにとっても大変なストレスです。(←このストレスは非常に体に悪いものです。)
歯医者が「虫歯を完全に除去すること」よりも「患者さんの苦痛に耐える表情」に気を取られれば”虫歯の取り残し”に繋がりかねません。
虫歯治療は虫歯の取り残しが命取りですから、それではまさに本末転倒です。

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Q5-3: 歯科で麻酔をした後で車の運転に支障はないですか?
支障ありません。
当院で行われる麻酔は口腔内の末梢神経に対する局所麻酔に限られます。中枢神経には影響がありませんので眠くなったりしません。もちろん車の運転にも支障ありません。

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Q6-1: インプラント治療とは?
歯を失った部位(骨内)に人工の歯根を埋入し、それと骨との強固な固定を待ってから上部に人工の歯冠を装着し噛み合わせを回復する治療です。

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Q6-2: インプラント治療は痛いですか?
局所麻酔下で手術を行い、手術そのものに痛みはありません。術後は切開した歯肉にやや痛みを感じることがありますが、一般の抜歯手術と比較してもその痛みは軽微です。

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Q6-3: インプラント治療のメリット・ディメリットは何ですか?
歯を失った部位の噛み合わせを回復する治療には
(1)入れ歯治療、(2)ブリッジ治療、(3)インプラント治療があり、それぞれ下図のようなメリット・ディメリットがあります。
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  入れ歯 ブリッジ インプラント
固定様式 隣の歯にバネで 隣の歯にセメントで 骨に結合
取り外し可? 毎日着脱 不可 上部パーツのみ可
よく噛める? あまり噛めない 噛める よく噛める
治療時,隣の歯を 少し削り取る 大きく削り取る 全く削らない
装着後,隣の歯の 負担増加 負担増加 殆ど変化なし
骨(歯茎)は やせる やせる 殆ど変化なし
治療費 安価 安価 高額
治療期間 数日間 数日間 3ヶ月~12ヶ月
必要条件(隣の歯) 比較的ゆるい 非常に厳格 やや厳格
必要条件(骨) 比較的ゆるい ゆるい 厳格
必要条件(全身) ゆるい ゆるい 厳格
多数歯欠損 対応可 一部対応可 対応可
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Q6-4: よく噛めるようになりますか?
非常に良く噛めるようになります。

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Q6-5: CT診断は行っていますか?
インプラント治療は事前の診査・診断が非常に重要です。特にインプラント埋入部位における骨の状態(形・大きさ・密度)に関する情報は極めて重要な診査診断資料となります。
当院は最新の歯科専用CT機器を完備しX線断層撮影で得られる当該部位の3次元(立体)的な情報を診査・診断の重要な資料としています。

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Q6-6: インプラントは丈夫ですか?長持ちしますか?
インプラントそのものは非常に丈夫です。問題なのはインプラントと骨との結合です。
天然の歯でもお手入れが悪いと歯周病などにより歯と骨の結合が破壊されていきますが、インプラントと骨の結合も同様もしくはそれ以上です。
したがってインプラント治療後はメンテナンスが非常に大切になります。

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Q6-7: 医療費控除は受けられますか?
インプラント治療費は医療控除の対象になります。

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Q7-1: 貴院の院内感染対策について教えてください。
当院はユニバーサル・プレコーションの考えに基づき、患者さんのお口に入るもの・ふれるものは可能な限りディスポーザブル(使い捨て)のものを使用し、ディスポーザブル(使い捨て)以外の器具は、全微生物を殺滅しうる高圧蒸気滅菌器で滅菌し、衛生管理を徹底しております。

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Q7-2: ユニバーサル・プレコーションとは?
米国疾病対策予防センター(CDC)が発表した病院内の感染管理対策ガイドラインのことで、「全ての患者の体液・排泄物は感染源となる可能性がある」として対策を講じようとする考え方です。

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Q8-1: 近頃「インプラントセンター」とか「審美歯科センター」とかいう看板を目にしますが、いったい何なのですか?
「歯科」、「矯正歯科」、「小児歯科」などと同様に「インプラント歯科」とか「審美歯科」などと表示できれば良いのですが、法律上のきまりでそのように看板には表示出来ないのです。
そこで「インプラントセンター」「審美歯科センター」と表示しているのです。
地域名や都市名などを頭につけて「○○インプラントセンター」というように名乗っている場合が多いですが、その地域や都市を代表するインプラントセンターという意味合いは全くありません。

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Q8-2: 歯科の中の細分化された分野で○○専門医というのを目にしますが、それはどういうものですか?
歯科は標榜科目として「歯科(一般)」の他に「矯正歯科」「小児歯科」「歯科口腔外科」の3つの専門科目が存在します。
したがって「矯正歯科」「小児歯科」「歯科口腔外科」にはそれぞれ伝統的にスペシャリスト[専門医]が存在しています。
「専門医」はその専門以外の科目は一切担当しないのが万国共通の前提ですが、近年、日本国内では学会や各種勉強会認定の、認定医とか指導医といった新たな「専門医」も乱立する様相を呈しており、その前提が崩れてきています。そのため近頃の日本の歯科の「専門医」は、「自称その分野得意」、「その科目大好き」程度に過ぎないと揶揄されてもいます。

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Q8-3: 街で「歯科CT設備完備」とか「歯科CTセンター」といった表記を近ごろ目にしますが、あれは何なのですか?
「当院はCT装置を備えている歯科医院である」というアピールをしているわけです。
当院は歯科専用CT装置を完備しておりますが、わざわざ「CTセンター」などとは謳っておりません。

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Q8-4: 歯医者さんの待合室などに飾ってある額縁に入った賞状のようなもの(←英語で書かれている)は何ですか?
英語で書かれているのですが最も多いのは国内の歯科材料メーカーさんが主催する講習会の修了証です。立派な額縁に収まっているのですが、実は半日コースの講習会の修了証だったりします。

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Q8-5: 大規模な歯科医院の方が良いですか?
歯科医院の規模がどうであるかということよりも、実際に「誰が自分の歯科治療をおこなうのか」という方が重要でしょう。
家電量販店やスーパーマーケット、あるいは自動車製造工場や総合病院には大規模ゆえのメリット〔=スケール・メリット〕があります。物販業なら大量仕入れによるコスト・ダウン、品揃えの豊富さは客にとって著しいメリットとなるでしょう。工場ならば生産性が飛躍的に向上しコスト・ダウンが図られ、より低価格で高品質な生産品が市場に送られるでしょう。病院ならば診療科目の多さは入院設備や各種高度医療機器の効率運用に有利で、また診療科間の連携は利用者にとってもメリットが多いでしょう。
歯科はどうでしょうか?
歯科のスケール・メリットは、患者さんにとって、歯科の本質に関わる部分で何かあるのでしょうか?残念ながら思いつきません。

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Q8-6: 歯科業界用語の「さばく」「回す」とは何ですか?
歯科診療台(治療用の椅子)の回転率を上げることいいます。野戦病院歯科(→後述Q8-7参照)で多用される業界用語です。
伝統的に診療の「質」よりも「数量」が評価される国内歯科業界の悪しき土壌がこの業界用語を生み出しました。
「俺が若い頃は1日に患者を60人は”さばいた”ものだ」とか「○○先生は新人なのに”回せる”奴だ」などというように使用されます。

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Q8-7: 野戦病院歯科とは何ですか?
「さばく」「回す」を常とする日本国内の歯科診療所の総称です。
日本国内の歯科医院は有史以来、総じてこのスタイルです。
世界的に見ても非常に奇妙なスタイルなのですが、一般の患者さんはもとより歯医者の先生方でもそれを疑問に思う向きは殆どありません。(それほど強固に根付いてしまっています。)
歯科における健康保険制度の悪弊が極めて強いせいもあるのですが、国内に存在する歯科医院という歯科医院がほとんど野戦病院スタイルというのは国民にとって悲劇以外の何ものでもありません。

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Q8-8: 保険外診療なら全国どこの歯医者さんでも良い治療が受けられますか?
仮に「セラミック冠」という”メニュー”で、A歯科医院もB歯科医院も同じ治療料金が設定されていたとしても、両者で内容(質)は全く異なるでしょう。(Q3-2参照

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Q8-9: 「名ばかり保険外診療」「何ちゃって保険外診療」とはなんですか?
「野戦病院歯科」において、健康保険が適用できない材料(←セラミックなど)を用いたという理由だけで「良い治療」と称しておこなう保険外診療のことをいいます。

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Q8-10: 近ごろ街に歯医者さんばかりが目に付きます。ちょっと多すぎじゃないですか?
マスメディアでもしばしばその「過剰感」を大袈裟に取り上げられるのでそのように感じられるかも知れませんが、実はこれでもまだ欧米の歯科医療先進国には遠く及ばないほど歯医者は不足しています。
問題は、この国の歯科医院という歯科医院が揃いも揃って全て「野戦病院歯科」(←”薄利多売大量生産ベルトコンベア方式”)という点です。それなので歯医者過剰感が蔓延するのでしょう。

国際比較 歯科医師数(2).jpg

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Q8-11: 近ごろ街に歯医者さんが増えすぎて、聞くところによれば「歯医者はコンビ二より多いらしい」ですが大丈夫ですか?(笑)
かつて数が足りなかった歯医者が近年増加傾向にあるのは事実です。しかし欧米に比べ日本の歯医者の数は依然決して多くないことは先に触れた通りです。
「歯医者(10万人)はコンビ二(4万店)より多いらしい」という言い回しは元々歯科業界人の「自虐ネタ」だったのですが、いつしか新聞・雑誌も「面白がって」使うようになりました。
しかし、そもそも何故コンビニと歯医者を比較しなくてはならないのでしょうか? 「携帯電話」vs「公衆電話」(←携帯電話普及で数が激減した)など、数を比較する上で合理性のあるものならばわかりますが…
歯医者とコンビニ。業種・業態が全く異なるこの両者を並べることは全くナンセンスです。

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Q8-12: 歯医者って、素人である患者(客)でも上手下手・センスが簡単に見抜ける点で美容師と似てますよね?
美容師さんについてはわかりませんが、歯医者の真の意味での良し悪しは簡単に見抜けるものではありません。
昨今問題になった産地偽装、食品偽装、耐震偽装、床下リフォーム詐欺…。「ラベル表示」や「うわべ」だけ装うことは、中身をしっかりすることよりも格段に容易いものです。しかし消費者はそんな偽装の数々にいとも簡単に騙されてしまいます。何が本物で、何がニセモノか、消費者が正確に本質を見抜くことは簡単ではないのです。
そのことは歯科にも当てはまります。
なお、歯は一生共にしていきたい大切なからだの一部で、はえ代わりはききませんから、一般的な消費活動でとってしまいがちな安易な買物(受診)は、歯科では決してすべきではありません。

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Q8-13: 歯科医院が増えれば競争原理によりサービス合戦が展開され、患者としては好ましい状況なのではと考えますが、どうですか?
歯科医療そのものが、オープンで単純明快なものならば、それは市場原理に基づいて健全な競争が営まれ歯科医療にとっても患者さんにとっても好ましい状況を生むでしょう。
しかし歯科医療の実際は、肝心なところは地味でわかりにくく、良し悪しも年単位を経ないとわからないことが多く、患者さんが歯科医院を公正に評価することは極めて困難な状況です。
事実、それをいいことに歯科医院側も「見栄え」や「上っ面」で不健全な競争にはしっているのが現状です。
「駐車場○○台完備!」とか「託児所併設!」とか「深夜○○時まで診療!」とか、歯科医療の本質とは遠く掛け離れたところで醜い”競争”が起こるだけで、患者さんが享受すべき歯科医療の本質の向上には何ら寄与していません。

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Q8-14: 「インプラントは良い!」という本もあれば「インプラントは良くない!」という本もあります。いったいどちらが正しいのですか?
正反対の見出しの本が出ていると患者さん側からすると困ってしまうでしょう。ただ同業の歯科医から高い評価を受けているような先生方はそもそも一般向けの刺激的なタイトルの本を出版されていないのが実情です。
歯科治療は「一口腔単位」という原則があります。インプラント治療は「一口腔単位」の治療計画における1つのオプション治療に過ぎません。インプラントによる治療を望まれる場合は、まず通院されている歯科医院さんにご相談されるのが先決と思われます。

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Q8-15: 「名医100選」的な本の歯医者版がありますが、あれは本当ですか?
大手新聞社も含め毎年何社からも出版されています。巻頭特集などで紹介されている3人程度の歯科医師(歯科医院)は実際の取材対象のようですが、それ以外の歯科医院(歯科医師)は全て実質「広告」です。
スペースの大きさに応じて「広告掲載料」が設定されているのですが、地域のタウン誌などと異なり「全国版」のためか掲載料が毎度非常に高額との印象を受けます。
なお「名医」とか「良い医者」といった称号を”お金で買う”風潮はいかがなものかと感じます。

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Q8-16: 歯医者のクチコミサイトの”ランキング”や”口コミ”は本当なのでしょうか?
残念ながら昨今はヤラセ率MAXって感じで、まともな同業者(歯医者)は皆さん渋い顔をしています。
一例を挙げると、2004年頃に登場した「デンター○○○」という「歯科医院クチコミサイト」では、”ランキング”UPのために、歯科医院からサイト管理を依頼されている業者がサービスで”工作”をするのが当たり前のことになっていました。(←ヤラセの”好評コメント”を入れると加点され、ランキングがUPする仕組み)
その後そうしたヤラセ横行のためランクUPの基準が厳しくなり、意図的なランクつり上げ工作が困難になりました。すると今度は同地域のライバル医院に意図的に捏造した”悪評”を入れることでライバル医院のランクDOWNを図るという手口が横行しはじめました。(←”悪評”は採用基準が甘く、かつ減点幅も加点幅の3倍と大きく効果的)
そうした工作により相対的に自院のランクUPを図るというわけです。
私のよく知る事例では、そうした工作によって(後発の新規開業でありながら)人口30万都市でランキングが3位(200医院中)まで急上昇したものもありました。(←当事者の告白による)
「デンター○○○」というサイトは、出始めの頃(2004年頃)は比較的まともなサイトだった印象ですが、次第に荒れて今ではすっかり・・・といった印象です。
このような性善説に立ったシステムは、関わる者が100%善人でない限り必ず破綻します。
これはその典型例でしょう。
情報化社会でインターネット上には情報が溢れています。しかしながらそれゆえに自分が必要とする有益な情報には中々辿り着けないという弊害も生まれています。
インターネット上の”ランキング”や”クチコミ”に惑わせれることなく、事前に得られる情報(ホームページの内容など)をご自分なりに吟味して、まず相談がてら歯科医院を受診してみてはいかがでしょうか?
そしてそこで治療方針(ケア方針)に納得がいけば先に進む、という風にされてみてはいかがですか?
情報氾濫のデジタル時代ゆえに、最終的にはこうしたアナログ行動が、賢い選択に繋がるのではないでしょうか。

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Q8-17: 地元の無料配布のタウン誌で記事に取り上げられている歯医者さんは記事になるほど凄いのですか?
無料配布のタウン誌の記事は「1面」の行政関連の記事を除いては殆ど全て記事を装った広告なのです。
記事を装った広告は”掲載料”が結構高額です。(←小さな”記事”でもおよそ数十万円~)
したがって、記事で取り上げられているように見えるその先生は、裏ではしっかりタウン誌側に高額な掲載料を支払っているわけですから、その意味では凄い歯医者さんなのかもしれません。

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Q8-18: お医者さんでは保険がきかないメニューなんて滅多にお目にかかりませんが、なぜ歯科では保険がきかないメニューが目立つのですか?お金儲け主義ですか?
世界では公的医療サービス(=日本での健康保険制度)が歯科治療を全くカバーしない国が多い中、日本の健康保険制度は虫歯治療~義歯治療まで広く歯科治療をカバーしています。しかしそれはあくまでも最低限のレベルです。
歯科はその特性から実は「予防」が最も効果的にはたらく診療科目の一つとされています。また歯科は治療の質が予後〔=治療成績〕に与える影響が非常に大きい科目とされています。しかしながらどちらも日本の健康保険制度では満足にカバーされない部分です。
まず、日本の健康保険は「疾病保険(=病気にかかった時の保険)」と言われる種類のもので、予防医療には原則適用されません。
また加速度的な少子高齢化が進み高齢者医療費が膨れ上がる中、国は歯科医療に十分な予算はつけられません。その傾向は過去数十年継続していますし今後も継続していく状況です。
したがって優れた歯科治療法や新薬、歯科材料が新規に開発されても健康保険が適用されることは皆無に等しいのが実情です。
歯科に保険がきかないメニューが目立つのは、そういった事情を反映していると言えるのではないでしょうか。
※下図は一般的歯科治療の治療費[=医院収入]国際比較
※日本の治療費は健康保険診療の医院収入総額

国際比較 レジン充填.jpg国際比較 支台築造.jpg

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Q8-19: すぐに麻酔を使いたがる歯医者さんは、麻酔代金を稼ぎたい儲け主義だからだと友人に聞きました。本当ですか?
麻酔をしたからといって日本の歯医者は全く儲かりません。
麻酔の目的はただ一つ、歯医者も患者さんもストレスなく、するべき処置をスムーズに貫徹することにあります。
(下図)歯科局所麻酔費用[=医院収入]の国際比較

国際比較 麻酔.jpg

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Q8-20: つけた銀歯がすぐ取れてしまうような治療をする歯医者はヤブ医者でしょうか?
ヤブ医者かどうかは判断できません。
ハッキリ言えることは「すぐ取れた」ということがあなたにとって非常にラッキーだったということだけです。
銀歯と歯が中途半端に隙間の開いた状態でくっついてしまうと清掃不可能な「死角」が生まれ、容易に新たな虫歯を引き起こしかねません。その意味で今回は非常にラッキーだったと言えるのです。
日本では健康保険制度の著しい歯科医療軽視のため歯科医院での保険治療は「品質」よりも「数量」、すなわち診療スピードを重視せざるを得ません。そのような背景が今回の裏にあったのかもしれません。
(下図:インレー,金属冠治療費[=医院収入]国際比較)
もちろん、正しい治療計画並びに術式で各段階を経て、正しく修復物が装着され、かつ術後の注意事項が正しくあなたに伝達されていたならば、簡単に修復物が脱離することはなかった筈ですが…。

国際比較 インレー.jpg国際比較 金属冠.jpg

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Q8-21: 十数年前に銀座の歯医者で入れた高価な差し歯が外れてしまったので貴院でスグ付けて欲しいのですが?
すみません。おそらくご希望には副えないと思います。
装着されてから既に長い年月が経過している差し歯が外れたということは、装着されていた歯(歯根)、噛みあわせ、その他口腔内に何らかのトラブル[病気]が発生していると考えるのが妥当だからです。
なお、その差し歯には当時高価な治療費がかかったということですが、それは治療という「サービス」に対する対価であって、差し歯という「モノ」に対するものではなかった筈です。(「モノ」≠「治療費」)
この国の歯科受診文化での大いなる間違いは、歯科治療費を最終的に装着された「モノ」に対する「価格」と捕らえる傾向があることです。
歯科治療費は本来、治療全般のサービスに対する「料金」です。
つまり今回外れてしまった差し歯そのモノには当時の「価格」の価値はありません。

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Q8-22: 仕事が忙しいので歯の治療なんかに構っていられません。やるなら早く終わらせて欲しいのですが。
まず歯の健康に対するあなたのスタンスを改めることが必要です。「歯の治療なんか…」「歯なんて…」という認識であるうちはまともな治療はできません。
歯の治療を成功に導くには患者さんと歯医者の間で歯の健康に対する価値を共有することが不可欠です。生活の中でご自身の歯の健康に対する時間的・経済的ウェートをしっかり置いてください。
なお中途半端な認識ではあなたにとっても当院にとっても無駄なストレスを生むだけですので受診はご遠慮ください。
また、「早く終わらして欲しい」というご要望にも当院はお応え出来ません。歯科の本質を逸脱し安易に患者さんに「迎合」する姿勢は昨今の歯科医療業界に蔓延していますが、まさにそのような風潮にこそこの国の歯科医療水準が低迷する諸悪の根源が潜んでいるのではないでしょうか。

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