接着治療

接着治療とは歯科用接着材を応用した治療全般を指します。
一般的には聞きなれない言葉だと思いますが、現代の歯科医療は「接着」を抜きには成立しないほどあらゆる治療分野に関与し重要な役割を担っています。特に「虫歯治療」や各種「修復治療」の分野においては、治療＝接着、と言って過言でないほどの存在感を誇っています。
また、近年の性能向上は著しいものがあり、国際的にも「過去数十年で、もっとも進化を遂げた歯科材料技術は”インプラント”と”接着”である」と評価されるほどです。

「接着」は文字通り人工修復物や歯質をくっつける技術のことです。
「接着」の出現前、その役割は専らグラスアイオノマーセメントやカルボキシレートセメント等、旧来型セメント材料が担っていました。旧来型セメント材料は一定の条件下で「唾液に溶けやすい」という決定的欠点を有します。一方、新たに登場した「接着」は「唾液に溶けない」という決定的利点を有します。しかし意外なことに「接着」の出現後も旧来型セメント材料は重宝され続けてきました。
というのも初期の「接着」は、スペック表示こそ「高性能」だったものの歯科臨床の現場では旧来型のセメントと比べ著しく治療成績が悪く(＝虫歯の再発、修復物の脱落が頻発)、期待が高かった分、急速にその信頼性が失われていったためです。
黎明期の昭和～平成にかけて大きく信頼を損ねた「接着」は、その後着々と性能向上を遂げてきたにもかかわらず、徒弟社会のこの業界では「師匠の苦い思い出」が伝承され一定数の根強い不信感が残っているのも事実です。

近年もっとも進化を遂げた歯科材料技術と評される「接着」ですが、治療成功の条件において、術式は極めて煩雑で、患者さんの唾液や吐息の湿気の影響も排除する必要があるなど「環境条件」も厳格で、何よりも患者さんが比較的長い時間開口状態を維持しなければならないなどで体力的負担が強いられることは、旧来型セメントに比べて大きなデメリットと指摘せざるを得ません。
海外の研究で「あらゆる歯科治療の中で最もテクニックセンシティブ（＝術者個人の技量の差が治療成績を大きく左右する）な治療分野である。」と評される接着治療は、施術する術者のリテラシーに加え患者さんのより一層の協力(負担)も欠かせないという一面もあるのです。

とは言え接着治療は、専門的知識・技量を有する術者によって適正に施されることにより、歯質をまもり、歯の神経をまもり、歯全体をまもることに大きく貢献します。
当院では特に「虫歯治療」「リメイク(既存修復物換装)治療」「審美(美容)治療」の各分野において「接着」を積極的に導入しています。

保険外診療(自由診療)料金表【接着/虫歯/リメイク/審美治療関連】	(円)
ダイレクトボンディングハイブリッドセラミックス修復	22,000
同　隣接部加算 (1か所)	11,000
同　大臼歯加算	11,000
ジルコニアセラミックスインレーアンレー	55,000
20Kゴールドインレーアンレー	55,000
インレーアンレー　隣接部加算 (1か所)	11,000
インレーアンレー　大臼歯加算	11,000
ジルコニアセラミックスクラウン	132,000
20Kゴールドクラウン	132,000
ジルコニアセラミックスブリッジ (支台歯・欠損部,1歯あたり)	132,000
ファイバー接着ブリッジ(1歯欠損)	220,000
インプラント埋入手術～補綴処置(1歯欠損補綴の場合)	385,000
プロビジョナルレストレーション (仮歯)(支台歯・欠損部,1歯あたり)	3,300
セラミックスラミネートべニア修復	132,000
ファイバーポストコア	22,000
くさび状欠損修復(ダイレクトボンディング修復)	22,000
咬耗修復(ダイレクトボンディングハイブリッドセラミックス修復)	22,000
象牙質レジンコーティング	5,500
MTA	11,000