審美(美容)治療

プロビジョナルレストレーション(仮歯)

審美(美容)治療領域の間接修復(＝型取りを行なう)症例においてプロビジョナルレストレーション(仮歯)は特に重要な役割を担います。

仮歯というと、歯科治療期間中に一時的に使われる「見栄え」のための物、と思われるかもしれません。しかし本来仮歯の役割は多岐に渡り、「見栄え」はその役割の一つにすぎません。仮歯の役割はどれも重要ですが、印象採得(型取り)前の「歯肉のコントロール」が特に重要です。

印象採得(型取り)のことを俗に「歯型を取る」と言いますが、歯だけなく歯肉溝(＝歯と歯茎の間の溝)の型も採らないと修復物作製上の情報は不十分となってしまいます。

しかし、ドリルで歯を削った直後は歯肉も傷ついており、その影響で歯肉溝は血液や浸出液により「濡れた状態」となってしまっています。そのため、そのまま型取りに進んでも歯肉溝の型はキレイに取ることができません。また逆に、歯を削った後そのまま数日放置した場合は、縁の部分に歯肉が延びて覆ってしまい、これまた歯肉溝の型をキレイに取ることができなくなってしまいます。

歯の形をドリルで整えた後、プロビジョナルレストレーション(仮歯)を装着し一定期間を過ごすことで、歯肉の傷は癒え、歯肉は仮歯に沿うようにして整っていきます。同時に歯肉溝は浸出液の分泌量が減るので「乾いた状態」での精密な型取りが可能となります。
歯だけでなく歯肉溝まで型取りが可能となると「エマージェンスプロファイル」(歯の根元の立ち上がりの形)が型取り材に記録されることになります。これにより縁の位置だけでなく歯根の立ち上がり「方向」も石膏模型上に再現されることになり、歯根からスムーズに形態が移行する修復物の作製が可能になります。
歯根からスムーズに立ち上がった修復物に歯肉はぴたりと寄り添います。これは自浄性と清掃性にとって有用で、歯肉の健康は促進されます。

セラミックスやジルコニアセラミックスなどの「高級素材」を単に用いたからといって「良い審美(美容)治療」になるとはかぎりません。折角の「高級素材」を生かすにも適切なプロビジョナルレストレーションは欠かせないのです。

ジルコニアセラミックス

ジルコニアセラミックは審美的な自然な修復が可能な材料です。健康保険のプラスチック系材料とは異なり、吸水膨張や熱膨張といった体積変化がなく、また咬合力に対する強度も強い(←健康保険のプラスチック系CADCAM材料の5倍以上の曲げ強度を有する)など非常に安定した材料です。また最新の歯科用接着材との相性も良く、より強固に歯質に接合することが可能です。
インレー、アンレー、クラウン、ブリッジそれぞれの修復に適応可能です。

ダイレクトボンディングハイブリッドセラミックス

ダイレクトボンディングハイブリッドセラミックスは直接口腔内で固めることができるハイブリッドセラミックス系材料です。健康保険適用の直接修復用プラスチック系材料に比べ耐摩耗性に優れ、変色劣化しにくい特長があります。
正中離開改善や咬耗修復などの「削らない治療」をはじめ、様々な審美修復症例(前歯、一部奥歯)に適応可能です。

保険外診療(自由診療)料金表【接着/虫歯/リメイク/審美治療関連】	(円)
ダイレクトボンディングハイブリッドセラミックス修復	22,000
同　隣接部加算 (1か所)	11,000
同　大臼歯加算	11,000
ジルコニアセラミックスインレーアンレー	55,000
20Kゴールドインレーアンレー	55,000
インレーアンレー　隣接部加算 (1か所)	11,000
インレーアンレー　大臼歯加算	11,000
ジルコニアセラミックスクラウン	132,000
20Kゴールドクラウン	132,000
ジルコニアセラミックスブリッジ (支台歯・欠損部,1歯あたり)	132,000
ファイバー接着ブリッジ(1歯欠損)	220,000
インプラント埋入手術～補綴処置(1歯欠損補綴の場合)	385,000
プロビジョナルレストレーション (仮歯)(支台歯・欠損部,1歯あたり)	2,200
セラミックスラミネートべニア修復	132,000
ファイバーポストコア	22,000
くさび状欠損修復(ダイレクトボンディング修復)	22,000
咬耗修復(ダイレクトボンディングハイブリッドセラミックス修復)	22,000
象牙質レジンコーティング	5,500
MTA	11,000